高志に怒鳴りつけると、リビングを飛び出した。
部屋に逃げ込む。
見透かされたかと思った。
あたしの気持ち。
ヒールなんて気にせずに可愛い靴を履きたいと。
そう。
高志からのプレゼントは、
5センチ以上高さのありそうな細いヒールのパンプスだった。
リボンのついた可愛い靴。
「…履けるわけ、ないのに」
部屋のドアにもたれかかって、つぶやいた。
あれを履いたら、あたしは何センチになるんだろう…。
「そんなことないよ」
ドアの向こうから高志の声が聞こえ、あたしはびっくりした。
このドアの向こうに、高志がいる…?



