坂井さんと三上さんが来た。

入り口の二人に気づいたクルミさんが腕時計を見た。

「約束の10分前かぁ。
やっぱ堅物だわ。フフ」

私を見ながらニコッと微笑んだ。


「お待たせ」

三上さんが私に声をかけた。

「お忙しい中、申し訳ありません」

私は席を立って二人にお辞儀をした。

「どういたしまして。
仕事で遅くなるのは慣れっこだから心配しなくても大丈夫だよ」

坂井さんは優しくそう言うと、私の左側の席に座った。
私の右側に三上さん、正面にクルミさん。
4人でテーブルを囲む格好だ。