「ただいまぁ」

「お帰り~」
そう言って出迎えてくれたのは直子のママだった。

「ナオママ、久しぶり。
今日は仕事休み?」

「そう。
だから昼間からずーっとお喋り」
嬉しそうな笑顔。

彼女はデパートに勤務していた。
肩書きは課長。バリバリのキャリアウーマンだ。

直子のパパは、私たちが5歳の時に職場の事故で死んでしまった。
私も直子も、かすかな面影しか覚えていない。
その後、女手ひとつで直子を育て上げた。
立派な母親だ。