今年のクリスマスも私は一人で迎えた。

慣れたこととはいえ、淋しい気持ちが無いといえば嘘になる。

特に今年は。


昼休み、携帯をチェック。

母親からメールだ。

『どうせ一人でしょうから、
夕飯は家に来なさい』

〈どうせ〉は余計だよ。


仕事帰り、私はまっすぐ実家に向かった。
実家は私のアパートから自転車で15分ぐらいのところにある。

父親が大学の職員をしている関係で、公務員住宅という団地に住んでいた。

私が一人暮らしをしているのは単に家が狭いという理由からだ。