翌日は早くに目が覚めた。

いつもなら先に鳴る目覚まし時計をたぐりよせ、両手でつかみながら時間を見た。

午前4時すぎ。

大好きだった運動会の日でさえ、こんなに早起きしたことは無かったと思う。

カーテンの隙間から外を覗いてみる。

まだ真っ暗だ。

11月も終わりに近づいていたから、いま一番夜が長いんだろうな。


早く起きても、時間を持て余すことは無かった。

ベッドの上に服を並べ、トーストをかじりながらそれらを眺める。

(この赤い服は一番のお気に入りだけど、会社に着て行くわけには行かないなぁ)

(こっちは、ちょっと子供っぽいかなぁ?)

(かといって地味すぎるのもなぁ)


デートをするわけでもないのに、私はアレコレと悩んだ。