すると光の筋が一本見えた。

「あ!」

「いまのが流れ星だよ」


筆で一気に線を引いたように光の筋が夜空に浮かんで、すぐに消えた。


「え~、すごい。
初めて見た」


光の筋はときに大胆に、ときに繊細に夜空のキャンバスに描かれた。

中には途中で大きく燃え上がるものもあった。


「ねぇ、願い事すると叶うかな?」

わたしは暗闇の中で彼を見ながら聞いた。

「どんな願い?」

「フフ・・・ひみつ」

すると彼が私のことを正面から抱き寄せた。