「あのね、年取るのなんてあっという間だからね。25過ぎれば、すぐ30。
のんびりしてると誰からも相手にされなくなっちゃうよ」

直子はパフェをひとくち食べるとニヤリと笑った。


三浦直子とは生まれたときからの付き合いだ。

同じ病院で同じ日に生まれた私たち。

母親同士が意気投合したのがきっかけで私たちの家族ぐるみの付き合いは始まった。


保育園から短大まで一緒。

無事卒業したものの、時代は『超』が付くほどの就職氷河期。

正社員を求めて、50社近く面接するものの

あえなく撃沈。

二人そろって派遣会社に登録するに至った。


まさに運命共同体のような仲だ。

ある意味、親戚よりも血は濃いかもしれない。


派遣先は違うけど休日にはよく二人で買い物をした。