「うん」

「何があったの?」


「彼とね・・・別れた」

言い終えないうちから、また涙がでた。


直子にしがみつきながら私はまた泣いた。


泣きながら、昨日の一件を話した。



「坂井さんのこと、見損なったよ」

直子が強い口調で言った。

「違うよ、ナオ。
わたしが決めたことだから、彼は悪くないよ」

「でもさぁ、里美のこと本当に愛しているなら左遷されようが、クビになろうが、里美を選ぶべきじゃない?
さよならを受け入れたってことは出世を選んだってことでしょ。あたしガッカリだよ」