誰かな? こんな朝早くに。


するとドアの向こうで声がした。

「お~い。生きてるか~」

直子の声だ。

ドアを開けると直子が私のことをマジマジと見て、

「あ、生きてる」と呟いた。

「どうしたの?こんな朝早くに」

「どうしたのじゃないわよ。
昨日から何度も電話したりメール入れたりしてるのに何の返事もないから心配で来たわよ」

「あ、ごめん。・・・寝てた」

「寝てたって、あのね・・・え?・・・里美、泣いたの?」

直子は私の目が少し腫れていることに気がついた。