アパートの部屋にもどって、玄関のドアをしめた瞬間に涙があふれた。

駆け足でベッドに飛び込み、頭から布団をかぶって大声で泣いた。

隣の浪人生に聞こえようとも、
下のオタク青年に聞こえようとも、

今は、おもいっきり泣きたい。



大好きな人に、自分から切り出したさよなら。



去っていく彼のうしろ姿を思い出すたびに、
涙があふれた。


楽しかった彼との会話を思い出すたびに、
涙があふれた。


私のことを優しいまなざしで見つめる彼の笑顔を思い出すたびに、
また涙があふれた。



どれくらい泣いただろうか。

泣き疲れた私は服も着替えないまま眠りについた。