「神山さんはお仕事されてるんですか?」

「ええ。
ネイルサロンを経営してるわ。
よろしかったら今度いらしてみて・・・と言っても、ネイルにはあまり興味なさそうね」

彼女は私の指先を見ながらそう言った。


もうすでに目の前で火花が散ってるよ。


でも大丈夫。坂井さんの恋人は私の方だ。

そう自分に言い聞かせた。


「坂井さんとゴルフ回られたそうですね。彼から聞きました」


私と彼の仲を嫉妬したのか、彼女は少しムッとした。


「ええ。とても楽しかったわ。彼もすごく喜んでくれたし。
わたくしたち、とても相性がよくてよ」

「彼はどんな人にも優しいですから。・・・あ、これ美味しいですね」

私はお刺身を食べながら答えた。

落ち着いてきた私は徐々に自分のペースをつかめてきた。