「はじめまして。橘里美さん」

「はじめまして」

「さあ、遠慮なさらないで座ってちょうだい」


この人が神山麗子?

歳は30歳ぐらいかな。色白でモデルさんのような美人。

お嬢様を絵に描いたような容姿だよ。

育ちの良さがにじみ出てる。

この人が、わたしのライバル?


「お忙しいのに、わざわざお呼びだてしてごめんなさいね。
どうしても、貴女にお目にかかりたかったわ」


ダメだぁ。もうすでに負けてるよ。

この雰囲気に飲み込まれそうだ。

私はしゃがみこむように彼女の前に座った。