「神山常務が、これを君に渡すようにとのことだ」


部長から封筒を受け取る


無地の封筒の表に毛筆で
『橘里美殿』と書いてあった。


「これは何でしょうかね」

私が尋ねると部長は

「さあな。渡すように言われただけだからね。
もう、戻っていいよ」と言った。


なんで俺がパシリなんだ、こんな小娘に。


そう言いたそうな表情だった。