翌日、私はいつものように坂井さんと一緒に会社に行った。

彼が言ってくれたように、じっくり考えを整理しよう。
そう気持ちを切り替えることにした。

いまは彼を信じてついていくしかない。



朝礼のあと、席に戻ろうとした私は課長に呼ばれた。

課長と話しをするのは面接のとき以来だ。

嫌な予感がした。


「部長がお呼びだ。
今すぐ、8階の部長のところまで行くように」

「はあ」

「君、部長とはお知り合い?」

「いいえ」

「あ、そう。・・・早く行きなさい」


(課長は私の噂のこと知らないのかな?)

(まあいっか)