「わたしの親友の直子です」

「はじめまして、三浦直子です」

直子はまったく緊張していない様子だった。
場慣れしているというか、さすが男に対して積極的な直子だけのことはあるなぁ、と私は妙なところで感心していた。


「はじめまして、坂井輝之です。
君のことは里美からよく聞いているよ。二人は姉妹みたいな仲だって」

「双子ですね。あたしたちは」

「ふ~ん」

「里美のことは誰よりも心配だから、今日は坂井さんにどうしても会いたかったです」

「うん。
僕も、きちんと話したほうがいいと思う」


料理を注文したあと、電車で出会ったときのことなどを話した。

暫くするとテーブルにはチャンプルや煮物といった珍しい料理が並んだ。
三人とも初めて食べるものばかりだった。