「彼、すごく真面目な人だから私のこと傷つけないように無理してるんじゃないかなぁ」

「ちょっと、なに弱気になってるの?
あんたらしくないよ」

「弱気にもなるって。
相手は会社の重役の娘。
わたしは単なる公務員の娘。
差が有りすぎだよ」

「いいじゃん。
お互いが好きならそれで」

「私そんなにいい女じゃない。自慢できるものなんて何も無い。
彼にふさわしくないよ」

「・・・里美」

私は完全に自信をなくしていた。

不安でいっぱいだった。