週末、私は直子の家に泊まりに行った。

一人でいると、不安に押しつぶされそうだった。


「私、みんなに迷惑かけちゃった」

「里美が落ち込むなんて珍しいね」

「彼に会いたい一心で、のぼせてた」

「冷めたってこと?」

「そんなわけないじゃん」

「坂井さんは里美のこと好きなんでしょ?」

「・・・うん」

「なら問題ないじゃん。
思いっきり彼に甘えなよ」

「でもね、わたし彼にとって重荷なんじゃないかなぁ」

「なに言ってるの里美。
だって坂井さんは、その常務の娘じゃなくて里美のことを選んでくれたんでしょ?」