「ほんと腹立つよ」

「香さん! 言いすぎだよ」

クルミさんが間に入った。

「橘だって、一生懸命仕事してるよ。
女なんだもん、恋愛だってしたいよ。それっていけない事?
派遣は恋愛しちゃいけないの?」

「迷惑なんだよ。
こっちの足引っ張ってもらいたくないんだよ」

「そんなの香さんのエゴだよ」

宇佐美さんはクルミさんのことをにらみつけた。


「クルミさん、もういいよ。
みんな私がいけないんだから」


「ああ不愉快だ」

宇佐美さんは天井に向かって叫びながらその場を立ち去った。