その後、空き地を見つけてお弁当を食べた。

おにぎり、から揚げ、ウインナー。今朝、私が作ったものだ。


「美味しいよ」

喜んで食べる彼を見ながら、私は幸せに浸っていた。

この人と、ずっと一緒にいたい。


でも彼はエリートサラリーマン

会社が、将来を期待する優秀な社員


私はそのことを忘れていた。


以前、弥生さんが言っていた、

〈私と坂井さんがつり合うと思うか〉

というセリフの本当の意味など、私はまるで分かっていなかった。


つかめそうで、つかめない私の恋


それはまるで、ひらひらと舞い落ちるこの桜の花びらのようだった。