すると坂井さんが女性に声をかけた。
「良かったら、一緒に持ちますよ」
「ああ、助かります」
二人は両側から乳母車をつかむと、一段一段ゆっくりとのぼった。
「どうも有難うございます。
声かけてもらったの初めてです」
女性は嬉しそうに礼を言った。
私は、改めて彼のことを尊敬した。
私がひとりだったら、手伝ってはいなかったと思う。
他の人と同じように、見て見ぬ振りをしていたに違いない。
何の躊躇もなく、ごく自然に声をかけた彼がすごいなと思った。
私は嬉しくなって、歩きながら彼の腕にしがみついた。
「どした?」
「ううん。何でもないよ」
ハニカミながら甘えるように答えた。
「良かったら、一緒に持ちますよ」
「ああ、助かります」
二人は両側から乳母車をつかむと、一段一段ゆっくりとのぼった。
「どうも有難うございます。
声かけてもらったの初めてです」
女性は嬉しそうに礼を言った。
私は、改めて彼のことを尊敬した。
私がひとりだったら、手伝ってはいなかったと思う。
他の人と同じように、見て見ぬ振りをしていたに違いない。
何の躊躇もなく、ごく自然に声をかけた彼がすごいなと思った。
私は嬉しくなって、歩きながら彼の腕にしがみついた。
「どした?」
「ううん。何でもないよ」
ハニカミながら甘えるように答えた。



