「私、弥生美紀(ヤヨイ ミキ)。
よろしくね」

「何のご用ですか?」

彼女は会議用の長いテーブルに腰を乗せると腕組みをしながら、

「あなたが輝之の彼女」と言った。

すぐに、この人が誰なのか察しがついた。

「坂井さんの前の恋人ですか?」


彼女はまるで私を品定めするかのように全身を眺めた。

「派遣でありながら彼を口説き落とすなんて・・・たいしたものね」

「関係ないと思います」

私は不機嫌な顔で答えた。

「フフ。さすが自信家さんね」

「・・・失礼します」

ドアのノブに手をかけて部屋を出ようとした時、

「つり合うと思う?」と彼女は言った。