120秒の恋

気がつくと客席は満席になっていた。

照明が暗くなり、ナレーションの声と共に上映が始まる。

天井に鮮やかな群青色の空が浮かび上がり一番星が光りだすと、吸い込まれるような闇へと変わり無数の星たちが現れた。

そのあまりの数に、私は鳥肌がたった。


夜空には、こんなにも星があるの?


私がいままで見てた空なんて、数える程度しか星が見えないもん。


銀河系の旅や星座の話など、一時間の上映はあっという間に終わった。


「どう?
楽しめた?」

彼が不安そうに尋ねる。

「うん。すごく感動した」

「そう。良かった」