私は彼の横に座って、子供の頃この公園でよく遊んだ話をした。

近くに実家があることや、隣町に親友の直子が住んでいることなどを説明した。

それから公園内を散歩しながら彼の車がとめてある駐車場へ向かった。


彼の車は真っ赤なスポーツカー

自分の好きな服と同じ色というだけで顔がにやけてしまう。


彼は助手席のドアを開けると、

「どうぞ」と言って私をエスコートしてくれた。

まるでお姫様気分


嬉しくて、また顔がにやけた。


革張りの座席に座って室内を見渡す。

高級感漂う内装。

初めてだよ、こんな車に乗るの。


今まで乗ったことのある助手席といえば、タバコくさい親戚のおじさんの車ぐらいだもん。