「だよね。
・・・だから好きかどうかも、いつもはぐらかされた。
そういう駆け引きが好きな男なら、彼女と楽しくやっていけるんだろうね。
でも僕には無理だ。僕は好きなものは好きとハッキリ言いたいよ。
・・・君のようにね」


私は照れて何も言えなくなってしまった。

彼と通じ合えたことが嬉しかった。

彼の価値観が、私と似ていることが嬉しかった。



彼が腕時計を見ながら、

「もうこんな時間か。そろそろ帰ろう。
明日、遅刻されたら困るからなぁ。
・・・続きはまた今度だ」


また今度?


また会ってくれるんだ。