「坂井さんは、彼女いらっしゃるんですか?」

クルミさんが聞く

「いないよ」

彼はサラリと答えた。


彼女、いないんだ


「え~、不思議。
職場に、いい人いないんですか?」

「縁がないみたいだね。僕は」

「そんなことないでしょ」

「残念ながら、小松さんみたいに可愛い子はいないんだなぁ、これが」

「三上さん、お上手ですね」

「いやいや本当。
うちの女性陣はみんな男勝りばかりだからね。可愛げが無い」

「そうなんですか坂井さん?」

「ああ。仕事で勝負っていう世界だから、常に男とは対等でありたいらしい」

「え~、以外。
恋も一生懸命なのかと思ってた」