ぶーちゃんと部屋に入った。


『コーヒー入れるね〜。飲んだら送ろうか。なんか疲れてるみたいだし』


『ごめんね…光太郎さん』


ふと、助手の誘いを断っていた姿を思い出した


こんなことなら あのこと会えば良かったって思うかな?


黙ってコーヒー入れてる彼に近づいて…背中からそっと抱きついた。


到底腕は回らないけど…


『さっきのイケメン、元カレでしょ…咲ちゃん、わかりやすいなあ』


鋭い…なんか胸が痛くなった。


『まだ好きなんだ?』


正直、和也さんのあの表情で、二度と戻ることはないんだと思い知らされた。


戻っても、彼とは一緒になれない


『光太郎さん…キスして』

大きな身体でぎゅっと抱きしめられて、キスした。


優しいキス。


チュッチュッって何度もキスした。


『コーヒー飲もう。』


こんな時、無理矢理にでも抱いて欲しかった。


切なかった…。


私のずるい行動の全てを見透かされてるみたいで。


恥ずかしかった。


和也さんと光太郎さん。


二人ならんだら


私は和也さんに走る。分かりやす過ぎて。


ばかにし過ぎてる。光太郎さんのことを。