ぶわっと下から吹き上げる風に、思わず目を閉じた。 あと数秒もすれば、私の身体は固い地面に叩きつけられて壊れるのだろう。 (ああ、やっと解放されるんだ…) 矛盾だらけの世界からも、嘘で塗り固めた自分からも―…。 もしも最期の願いをきいてくれるのならば、どうか神様。 私の魂を粉々にして、もう二度とカタチにしないでください――。 そんなことを思ったのを最後に、私の意識は途切れた。