・・・はずなのに。



「あ、矢神さん!」


「え?」



後ろからまた呼ばれて、何かと思ったら


「これ、このハンカチ、落としたよ?」


「あ、ありがと…。」


「じゃ、また教室で!」


「う、うん…。」


ビ、ビックリした~。


すると、この光景を見ていた真理奈が、


「ちょっと、ちょっと~!!もしかしたら津川、愛梨に気があるのかもよ~?」


と、肘で腰あたりをつついてきた。


「そんなことあるわけないよ~!!」


すると、真理奈は瞬時に表情を変えて、真剣な表情になる。


「どうしたの?」


「愛梨、もし・・・愛梨にその気がないのなら、津川遠ざけといた方がいいよ。」


「何で?」