「ハア...ハア...。」
全力疾走で家まで走ったから、普段運動しない私は近い距離なはずなのに息が切れる。
玄関まで入って、ふと下を見てみると、
あの黒猫がいた。
「あ...いた...。」
私は驚きながらも、その場にしゃがみ込み、黒猫の頭を撫でてみる。
『ニャァ』
黒猫は気持ち良さそうにしながら...
っ...え!?
気持ち良さそうにしながら...人間姿に...
って、リオ!?
「おはよう、愛梨。」
そこには、いつもの優しい笑みで、私を見るリオの姿があった。
驚きと安心で、体中の力が抜けて、
床にぺたりと座りこむ私にリオは...


