ブラジルで蝶が羽ばたけば遠く離れたテキサスに竜巻が発生する。

気にもとめないような些細な事でも何かが起これば、いずれ何かに無視できない大きな影響を及ぼすという事だ。それが例えまったく無関係な事でも。
ブラジルで蝶が羽ばたかなければ竜巻は発生しないし、それでも発生したのならば、それは別の何かがどこかで影響しただけの事だ。つまり、すべての出来事は必然と言えるのではないだろうか。
 もしも、何も存在しない世界に突然竜巻が発生したのならば、それこそは偶然の出来事なのかもしれない。または奇跡と呼ばれているものか。
 そもそも偶然か奇跡かの違いんなんてものは大した違いではないのかもしれない。誰かが偶然だと思った出来事も、それは必然でしかない。しかし、その人が偶然だと認識すればそれはその人にとっては偶然なのである。奇跡だと認識すれば奇跡なのだ。偶然と奇跡の違いはその程度でしかない。

なんにせよ彼らは出会った。偶然に、必然に。