(結愛side)


「いいよ」


心細くて、津田くんに一緒に帰ってほしいとお願いしたあたし。

迷惑かけちゃってごめん。
今日だけだから。




「荻野はどっちも受けんの」


突然、津田くんに聞かれた。

多分、あたしたちが受講している日本史が私立の2トップ専用のコースだからだろう。


「あたしはW大学だけかも。津田くんは?」

「俺はどっちも」


「そっか!すごいね」


すごいね、って…あたしもうちょっとマシなこと言ってよ。