「違う、俺も最近知ったって言っただろ」

「そうだった」

「母さん達が、俺達に内緒で
墓買ってたんだってよ」

「えっ…どうして」

「俺達は、ちょっとしたパーティーはした
でも通常の結婚式みたいなもんはしなかった
それと、子供が生まれるってこともないし
互いに仕事してるから収入面の心配もない
そこで、母さん達は何か出来ないかと
ずっと考えてたらしい」

「何で、お墓なの?」

「兄さん達夫婦が、恭司が死んだときは
並木の墓に入るだろうけど
渚君が亡くなった時はどうするの?
恭司は亡くなった後、渚君と離れ離れに
なってもいいのかな?って言ってたらしい」

「うん」

「そんなこと考えてもいなかったからな」

「そうだよね」

「そしたら…
母さんが安心しなさいって言ったらしい
恭司達のお墓はちゃんとあるからって
渚も俺ん家の墓の場所知ってるだろ」

「うん」

「俺達の墓その近くらしい」