「この山荘は40代50代が多いんだ
だから彼が来た時は本当に驚いたよ」

「そうよね、私も驚いたのよ」

「私達には子供がいないんだ
だからかも知れないけど渚君の事
自分の息子のように思ってるんだ
だから以前帰る時に
ここを第2の実家と思ってほしい、
何か辛い事や逃げ出したくなったら
ここに帰っておいでと僕は言ったんです」

「私も同じ事言ったわ」

「だから渚君は今回は逃げ出してきたんだと
そう思いました、時子から並木って方から
渚君が泊まってるのか問い合わせが
来ているって聞いた時迷ったんですが
時子にどうして知りたいのか理由を
聞いたうえで判断して欲しいと
僕が言いました」

「だから聞いたの貴方は正直に話してくれた
普通は話さないだろうと思う
それで私はこの方は本当に渚君を愛してるんだ
って確信したから教えたの」

「ほんとに、ありがとうございます」


俺は女将さんから離れの場所を聞いてから
離れのカギを受け取って
渚に会うべく歩き出した