俺は渚を迎えに山荘〈鈴蘭〉に行く途中…
〈鈴蘭〉は老夫婦だけで運営してる山荘

(この山荘に訪れる全ての人達に
幸福が訪れるようにとご主人が
この名前をつけたそうだ
鈴蘭の花言葉ー幸福が訪れる・純潔)
昨日電話した時にその事を話してくれた。

なぎがいるのかどうかを聞き出すのは
大変だった、今のご時世だからって
分かってはいたものの、大変だった…
でも俺の中の何かが、ここになぎが
泊まってるってそう言ってる
だから、俺は毎日電話をかけた
それでも、教えてはくれなかった

恥も外聞も取っ払って全部を話した
かいがあったのかどうかは分からないが
なぎが泊まっている事を話してくれた
なぎは彼らに俺達の事を話していたみたいで
女将さんに『渚君の彼氏としても
生涯のパートナーにしてもまだまだね』
と言われてしまった…情けない俺
でもそれは、しょうがないのかも知れない
そんな事を思い出しているうちに山荘に着いた