私は並木君を探した
いち早く会場を後にするつもりなのか
会場を出て行こうとする後姿が見えた

私は必死にその後を追った
並木君は外に出る所だった

「…並木君…」

「槇村さん」

「…もう…帰っちゃうの?」

「あぁ」

「…でも…」

「部長には言ってあるからいいんだ」

「…そうなの?」

「槇村さん、酔ってんの?」

「酔ってなんかいませんよ~だ
本当に酔ってなんかいないんだから…」

「酔ってるね」


俺は酔った槇村が何かに躓いて
コケそうになったから
咄嗟に腕を掴んで引っ張った
咄嗟の事で力の加減が出来なかったのか
抱き寄せるかっこうになった

「悪い、槇村さん大丈夫か?
力の加減が出来なかった」

「うんん、ありがと」

「俺は帰るけど槇村さんは2次会楽しんで」

「…えぇ…」