最後の恋



「…そうなんだ…
恭司が幸せそうで良かった」

本当はそんな事思ってもいないのに


「俺は、すげぇ幸せだ
透子は今幸せか?」



バカ、幸せなわけないじゃない!!
「えぇ、幸せよ」

「そっか、安心した」


私は1番気になる事を聞いてみた
「私もだけど恭司ももう少ししたら
30歳、周りの人はどんどん結婚していくでしょ
親とか周りから結婚しろって言われない?」


確かに俺等の歳になると
そう言う話が出てくるが俺の場合は…
「家族には渚の事紹介してるから
結婚の事は言われない、
2人の兄貴には子供もいるしな
家族は俺が後悔せず幸せなら良いって」


「…そうなんだ」


透子は時計を確認し
あの子との待ち合わせの時間2分前
そろそろ私は帰らないと…

「私も貴方が幸せなら良いと思うよ
私そろそろ行かなくちゃ
これからデートなの」

何言ってんだかデートなんてない
これから家に直行…


「そうか透子も幸せそうで良かったよ」

「私こそ恭司が幸せそうで良かった」

透子は恭司の背中を叩き…
「じゃ~私待ち合わせに
遅れそうだから行くね」

「あぁ、じゃ~な」


透子は改札に入って行った。