鈴祢が消えて一日たった。

今日はお葬式。

制服を着て、僕は鈴祢に会いに行った。

周りには同じ制服を着た人が少ししかいなかった。

鈴祢は明るい子だから、きっと友達がたくさんいるだろうと思っていた。

でも、来ている人は片手で数えられるほどの人数。

僕の知っている人は誰もいない。

鈴祢のお葬式は人がとても少ない寂しいものだった。

鈴祢も孤独だったの?

僕はまったく気が付かなかったよ?

僕は必死で涙を我慢する。

手にはさっき受け取った一輪の菊の花と、昨日探してきた四つ葉のクローバー。

花を備える順番がまわってきて、僕は立ち上がる。

棺桶の上に飾られた鈴祢の写真は、久しぶりに見たあの可愛らしい笑顔。

鼻の奥がツーンとして痛かった。

写真から目をそらして、棺桶に視線を落とす。

空っぽの棺桶に菊の花だけが入ってる。

あぁ、もうダメだ。

僕の涙腺は限界を超えていた。

涙が止まらない。

鈴祢にまだお礼を言ってないのに声が出ない。

菊の花と四つ葉のクローバーを棺桶に入れる。

僕はその場に崩れてしまった。

まだ僕は鈴祢にお礼を言ってないんだ。

必死になってだした声も、うなってるようにしか聞こえない。