僕は学校から飛びだして誰もいない公園まで来た。

手紙を丁寧に開いてゆっくりと読み始めた。




―森山くんへ―

いきなり手紙を書いてびっくりしたかな?

今日。私は船に乗って留学先の国へ行きます。

最後に森山くんの顔見たかったな…

もしかしたら私、森山くんが行かないでって止めてくれたら、まだそこにいたと思う。

森山くんの隣はとても居心地がいいから

私と森山くんはとても似ていたから

だから笑ってほしかった。

森山くんが私がいない一年間笑っていられるように朝、近くで見つけた四つ葉のクローバーをはさんでおきました。

ちょっと前の森山くんは、いつでも仏頂面で全然楽しそうじゃなかったから

今はいっぱい笑ってくれるようになったから

だから森山くんの幸せが続くようにこのクローバーに祈りをかけます。

ちゃんと待っててね?

私の事、忘れちゃ嫌だからね?

―白山鈴祢―


手紙はそこで終わった。

昨日の朝鈴祢は確かにいたんだ。

僕の幸せを思ってくれてたんだ。

僕は涙を流す。

僕は弱虫だ。

こんな姿を鈴祢が見たら悲しむだろう。

でも、僕は目から零れる雫を止めることはできなかった。