暫くしてまたコーヒーの匂いが鼻をくすぐった コーヒーの匂いは好き…なんだか落ち着ける気がする… 「どうぞ」 「ありがと」 いつの間にか冬矢が近くにいて椅子から落ちそうになった あたしのカップにはちゃんとミルクと砂糖が入れてあった 「冬矢はブラックなの?」 「あぁ、そうだよ」 「苦くないんですか…?」 あたしが真面目に質問してるのに冬矢はまたツボに入ったのか俯き肩を揺らしている 「慣れだよ慣れ、仕事で何回も飲んでるうちに慣れちゃったみたい」 「はぁ……」