「なんでいんだよ」


冷たい颯



いつも冷たいけど
いつものとは比じゃないくらい低い声



身体が思わず震える



「颯に言いたいことがあって」


私が話を切り出したとたんに



「あ……これあと印鑑押すだけ」



離婚届けを渡してきた



しかも颯の名前は既に書いてある



私達本当に離婚するの?



視界がぼやける



「なんで泣くんだよ」


「本当に離婚しちゃうの?」


「お前が結婚しなければよかったって言ったんだ」


分かってる



私が間違ってるのは



ごめんと一言謝りたいのに泣いてるせいでうまく声が出なかった