手紙を持つ手に力が入って少しぐちゃってなった
この手紙にはあたしの思いがすべて詰まってるんだ……
高校生活の卒業という大きな区切りを目の前にして
後悔のないように思ったこと、感じたことをつづったことを覚えてる
もう2度と読むことはないと皮肉的希望を込めて
タイムカプセルに入れた。
けれどこの手紙はここにある……。
湿気で少しにだけくしゃってなって、少しだけ土臭さを残したこの手紙。
いっぱい雨が降って湿気でぐちゃぐちゃになってくれれば良かったのにね。
【いらないのよ、こんなモノ。】
そう強がりを言うことさえできないのよ。
あたしってあまりに愚かだから……。

