【完】甘い恋よりもそばにいて


あたしは何も言い返せないまま。


波羅に強引に引っ張られるかたちで部屋の出口へと進んでいく。


その間にも啓は何か話していたけど聞き取る気にはなれなかった……


ねえ……波羅…。そんなにあたしが聞くとマズいことなの……?


なんにも教えてくれないじゃんか……。


あたし知りたいんだよ……全部を……。


たとえあたしが傷つくのがめに見えていたとしても、


そんなに波羅が必死になってあたしを守る必要なんてないんだよ……。


あたしの表情がどんどん険しくなっていくのが分かった


波羅に連れられて進んでいく自分の足に力が少しづつ加わって……


出口のほんの手前でとうとう前に前進するっという動作をやめた。