「啓......のこと……なんだけど…」
「ああ、そのことか……」
まるであたしがこのことを聞くって分かっていたかのように波羅がそう言った
「なんで……居ないの……?」
「何?もしかして気にしてるの……?あれだけ会いたくないって言ったくせに」
あたしは口ごもった
何も言い返せない……その通りだから
「莉華……アイツは来るよ……でも…」
「えっ……?嘘でしょ?」
あたしは波羅の言葉を遮ってそう言った
「でも……やめな。これ以上は何も言えないけど……啓だけはダメなんだよ」
あたしの両腕を掴んで波羅はあたしに訴えかける……
なんで……?
なんで……?
なんで……?
なぜなの?どうしてなの?
そんな悲しいことを言わないで…
そんな悲しいことを言わないで……。

