【完】甘い恋よりもそばにいて


「……そっか…ま、気長にね…うちらまだまだ若いじゃん?」



「うん……ありがとっ…波羅」



軽々しい『ありがとう』に聞こえるかもしれない……



けれど……どんな言葉よりも気持ちがこもってるの。



だってそんな重い『ありがとう』なんて照れくさくなるだけだもの



「あ、そういえば波羅はいないの?そういう相手……」



「は?何が?莉華みたいな遊び相手ってことなら……」



あたしは途中で言葉を遮った。



波羅があたしをからかってるんだって、すぐに気づいたからよ



「違うよ!彼氏の話!!」



そうハッキリと言った



「あぁ……その話。あたしはてっきり……」



今、気づいたわ。みたいな言い方をして……どこまであたしをからかうつもり?



「ふざけないでよ……」



「はいはい…分かったわよ。冗談は通じないのね、まったくもう……」



まったくもう……はこっちのセリフよ。



「ん~……そんなのは今はいないかな…ていうか恋愛とか今はいいや」



「へえ~、そうなんだ……」