「ごめん、遅くなった」
そう言ってあたしは波羅の車に駆け寄った
「もう、遅いよ〜」
あたしは車に乗って、波羅にあるものを渡した
「莉華……コレ⁉まさか……」
「そのまさか、ずっと捨てられなかったの。波羅コレ持ってて」
「アイツに返すの?」
「ううん、返さない。きっと覚えてないし、こんなもの渡して自分が惨めになるのが嫌なの」
「そっか……捨てられないんだ」
「波羅……あたし向き合うから、逃げない……だからあたしを見てて」
「……えっ?」
「あたしが彼と向き合う姿を目に焼き付けててほしいのよ」
「……うん、分かった」
波羅はあたしの最高の理解者。
だから、すべてを分かっていて欲しい、すべてを理解して欲しい
そんなわがままがあたしにこんなことをさせたんだ

