【完】甘い恋よりもそばにいて


波羅は目的地に向かって車を走らせている。


真っ赤な軽自動車はまさに波羅にぴったりのデザイン


先輩の上着は今もまだあたしが着ている


サイズが大きいからちょっとダボダボで袖の部分が手まで隠れる。


この上着はどんな香りがするのかなって思ったからそでを口元に近づけてみた……。


でも……やめた。


またキツイ香りが鼻をつくのはもうゴメンだし、


どうせあたしの知らない女香りしかしないって思ったから。