その後は疲れてすぐに寝ちゃって
記憶がほとんどなかった。



そして次の日、
早朝から叩き起こされ
目覚めたあたしは、



今に至る。







電車を降りたあとも
先輩は何か考えこむような気難しい顔をしてる。






どうやら行き先は
有名なテーマパークらしい。




いや、道順からしてそうに間違いはない



「先輩、どうかしたんですか?」




何気なく聞いた一言。



「逃げてもいいよ?」




はぁ?
なにを唐突に…





「俺から逃げるなら今のうちだから、」




「意味わかんないんですけど?」




なんであたしが先輩から
逃げなきゃならないんですか?





意味わかんないよ




「ほら、俺って我ながら卑劣なやつだと思うし」





「はぁ…」





そんな意味不明な会話を交わし


なんとなく自然に



どちらからでもなく手を繋いで



ゆっくり歩いた。



いつもなら自分の歩幅で
スタスタと先に行ってしまう彼なのに




…。





なんで……?





そして目的地にたどり着いた。