あたしはただ慌ただしく動いて、10分で支度を完了した。
そして、今は先輩の車の中。
先輩は不思議な人で
普段全くと言っていいほど乗らないくせに車を持ってたり…
1人暮らしのくせに無意味に広いマンションに住んでたりする。
もしかして金持ちかコイツ…
と思わせる行動や言動をたびたび重ねてきた
しかしその核心をつく質問を未だに一度も出来ずにいた。
なんてことを考えていたら、
先輩はおかしな行動に出ていた。
「あれ?先輩、あたしの家ってさっきの交差点を右に曲がるんじゃ…」
「そうだっけ」
軽く笑って言葉を返す先輩。
道を間違えたのは別に構わない。
だけど、先輩の悪びれない態度…
かなり怪しい
というかオカシイ。
そしてあたしの予感は的中した。

