【完】甘い恋よりもそばにいて



しばらくの間、あたしは放心状態。


まばたきもろくにできず、
目の焦点も定まらず…。


口をあんぐりと開けて唖然とする。


何か言葉を……

と頭の片隅で考えてはいるものの口角がぴくりとも動かなかった。






「あのさ、俺の話聞く気あんの?」


アホみたいな顔してるあたしを横目に
先輩はさらっと毒を吐く。


聞く気あるもなにも、
先輩があたしをこんなふうにしてるのに…。


いきなり同棲という単語を持ち出してきたのはそっちだろう。


かなり納得がいかない、先輩の態度。




今にも怒りという感情が
目に見える形になる


その一歩手前で、


先輩はまた言葉を発した。







「2日間だけだ」



きっぱりと、そしてどこか冷たくそう断言した。