【完】甘い恋よりもそばにいて



先輩はソファーの中で


あたしを抱きしめる。


下手に動けば、床にまっしぐら、
ってことになりかねないから


先輩にしがみついてしまうんだ。


「話ならこの態勢でも出来るし…」


いじわるに微笑んで、
両腕であたしを締め付ける。


そんな表情に思わず
ドキッとして頬を赤らめてしまう自分が恥ずかしい。


あたしと先輩は向かい合って
見つめ合う。


その距離はあまりにも近く、

おかしな想像を駆り立てるには十分過ぎて


無意識に身構えてしまう。


「目覚めのキスはしてくれないのお姫様?」


歯の浮くような、
気どった言葉を並べられて。


込み上げる笑いを必死に堪える。


ククク…


そんなあたしに先輩は容赦ない。






「もっと笑えよ。その笑顔が好きなんだ」





その真顔と真摯な態度にひれ伏してしまいそう。